「終身雇用制」を復活させようという意見はおかしい

昨今の「派遣切り」の問題から、「企業は終身雇用制を復活させるべきだ」という意見を言う人が増えてきています。
しかし私は「終身雇用制は復活させるべきではない」と考えています。理由ですが、終身雇用制の前提として必要な条件を認めるわけにはいかないからです。

終身雇用制を保つためには、「企業は続く」「少なくとも人の人生程度の長さには企業は続く」という前提が必要です。でなければ「終身」雇用することができないからです。
しかしそもそも企業は続くのでしょうか。しょせん企業も人が作ったもの。栄枯盛衰があり、生まれては消えていくものです。したがって誰かは必ず終身雇用されないのです。

仮に誰もが終身雇用されるためには、どうなるのでしょうか。今ある企業はずっと続かなければなりません。
はたしてそんな社会が活力ある社会なのでしょうか。

人間は新陳代謝によって活力ある肉体を維持しているように、組織も新陳代謝(人の入れ替わり)によって活力が保たれます。
それと同じく社会も組織の新陳代謝が必要なはずです。

私は終身雇用制に反対です。目指すべきは安心して失業できる社会、失業しても努力する人には必ずチャンスが与えられる社会です。